えほん
おうじさまもときどききてくれました。 つきのひとたちのなかで、 おうじさまがいちばんやさしいことばをかけてくれました。 たまにおひめさまをみてよだれをふくのがきになりましたが、 いつかのろいをといてあげる、と いつもいってくれるのでした。 おひ…
すいぞくかんでは、まいにちいろんなひとがおひめさまをみにきます。 はじめはみせものあつかいにはらをたてていたおひめさまですが、 すぐきにしなくなりました。 じぶんがみんなをたのしませることができるとわかったからです。 しょくたくにのったじょう…
ところが、ほんかくてきにちょうりにはいるまえに、 りょうりちょうがたいへんなことにきづきました。 おひめさまがまだくちのきけないのろいにかかったままだということがわかったのです。 のろいにかかったままのにんぎょをたべたら、 おうじさまものろい…
そのあとおひめさまはちゅうぼうにつれていかれ、 スープのだしをとられました。 つきのひとたちのだれもにんぎょのすがたをしていないのでおかしいとおもっていたら、 にんぎょはつきのひとのしょくりょうだったのです。 それでもおひめさまはおとなしくさ…
さて、おひめさまをつれさったひかりは、 おひめさまをつきへつれていきました。 つきにはたくさんのひとたちがいて、 おひめさまがおおきくなったのでおむかえのひかりでつれてきたのだといいました。 そう、おひめさまはつきからきたにんぎょだったのです…
そうしておひめさまはうみへとはこばれていきました。 うみまではとおいので、 だんだんひがくれて、 ついにそらにはつきがかがやきはじめました。 すると、ふしぎなひかりがおりてきて、 おひめさまはそのひかりにつれさられてしまいました。 おうじさまは…
まじょはのろいがとけたおひめさまに、 あらためてくちがきけなくなるのろいをかけなおすとまんぞくしてさっていきました。 こまったのはおひめさまです。 りくのうえではにんぎょはろくにうごけませんし、 こえがだせないのではたすけをよぶこともできませ…
そこでまじょは、おひめさまののろいをといてみることにしました。 わけもわからずにげるおひめさまにむかってつえをひとふり。 すると… なんということでしょう!! おひめさまはにんぎょになってしまったのです。 つづく
ひとりでまたされていたおひめさまのまえで、 きゅうにしげみがゆれ、なかからまじょがとびだしました。 このまじょは、ちかごろこのかいわいをあらしているのろいまじょでした。 しゅみがこうじてとおりすがりのひとびとにのろいをかけているのです。 まじ…
おひめさまはおうじさまにつれられておしろへむかいました。 ところが、とちゅうでおひめさまはくつをかたほうおとしてしまいました。 きづいたおうじさまがすぐにとりにいきます。 といっても、じっさいにさがすのはめしつかいで、 おうじさまはおひめさま…
おうじさまはひとめでおひめさまをきにいりました。 あったばかりのおひめさまをみためだけでおきさきにするときめてしまいました。 それをしらされたおひめさまは、かってにきめられたことと、 おうじさまがしょうじきたいぷではなかったことがきにいらなか…
あしがつかないうちに、と おひめさまはいそいでとおくのくににいきました。 もちろんおかねはたっぷりあるので いままでできなかったぜいたくをすることはわすれません。 おかげでおひめさまはとってもめだち、 あるひとうとうそのくにのおうじさまがおひめ…
おひめさまはとりあえず「かねかえせよ!」とおもいましたが、 あのおやがかえすわけがないということにきづいたので、 おしろにあるかねめのものをいくつかもっていえですることにしました。 まちにつくと、もってきたものはすべてげんきんにかえ、 たびの…
そのたくさんのおかねは、おひめさまのよういくひでした。 しかし、おとうさんとおかあさんはそのおかねをじぶんたちのぜいたくのためにつかい、 ついにはおういをさんだつしました。 ただ、おひめさまのためにはびたいちもんつかいませんでした。 ところが…
なぜなら、おひめさまはおうさまとおきさきさまのほんとうのこどもではなかったからです。 おうさまがまだおうさまではなかったころ、やまでみつけたこどもでした。 おひめさまはきのまたから、じゃなくて、たけのなかからうまれたのです。 おひめさまがはい…
むかしむかしあるところに、 うつくしいおんなのこがいました。 おんなのこのおとうさんとおかあさんはおうさまとおうひさまで、 つまりおんなのこはおひめさまでしたが、 おひめさまはまいにち つらいかじをさせられていました。 つづく